⑩ミツロー通信(協議会・市議会の動き)(元NHK記者)

(薩摩国分寺跡)
ミツロー通信より(抜粋)
ミツロー事務所 森永満郎(元NHK記者)
薩摩川内市国分寺町6668-15
電話 0996-20-0024
◆第69号 2007/09/18
平成19年9月議会、一般質問が9月13日から18日の3日間行われ、17人が質問した。
原発との共生・共存
「薩摩川内市とエネルギー産業との共生・共存について」と質聞通告した宮里兼実議員は「原発3号機について、九州電力は2010年代後半の営業運転を目標に現在、環境調査を実施しています。エネルギー事業との共存と電源立地のメリットを活かして、近未来、バイオクリーン研究センターとでも名付けた研究所の誘致を提案する」と質しました。
市長は質問者以上に情熱的答弁をしました。
「そう言う研究所なり、産業、工場、施設が出来たら大変ありがたい。実は7月に開かれた内閣府の原子力安全委員会(後で原子力委員会と訂正)に出席する機会があり、まさしくその時に、本市のエネルギー政策と本市が希望している将来都市の発展構想の一つとして、地域との共生という観点から、今議員が述べられましたような事について意見を述べました。今述べられましたような施設が立地できるように、議会の皆様はもとより、行政職員も先頭に立って、施設ができないかどうか、また市民の皆様方の中からそう言う議論が沸いて来るように、私達も乞い願うところです。あの六ヶ所村には使用済み撚料の再処理工場が出来ましたけど、その周辺に、いろんな研究所が出来ています。日本列島の北の方と南の方に、いろんな研究施設が出来るように、誘致について、努力していかなければいけないと思う次第です。」
この時、十人を越える傍聴者がいました。
市長は我が意を得たりとばかりの答弁に、川内原子力発電所は3号機増設に向けて、環境調査だけでない、早くも別の何かが動き出していると傍聴席には響いてきました。
◆第83号 2007/12/18
平成19年12月議会一般質問
原発地区のへ総究の誘致を
宮里兼実議員は、先の9月議会で、原発のある薩摩川内市への研究機関の誘致は前向きの検討をするという市長答弁を引き出し、今回は「電源立地地域薩摩川内市地区近未来バイオクリーン総合研究センターの誘致運動について」という項目での再びの質問です。
「9月議会での市長答弁を受け、市民の中には電源立地研究推進協議会の設置を考えるグループも現れ、国会議員へ働きかけている。市長の強いリーダーシップで、総合研究所の誘致運動をしてもらいたい。」と迫りました。
森卓朗市長は、戸惑い気味です。
「きょう、近未来バイオクリーン総合研究センターと、名称を聞かされました。前の質問は薩摩川内地区近未来バイオクリーンセンターとでも名付けた研究所の誘致の提案でした。原発のみならず、原発に関する調査研究機関があれば、企業誘致にも元気が出てくるという考えをかねてから持っていることを含めて答弁しました。具体的にそういう研究所があるのかどうか、どんな組織なのか、もし事業を展開しているとしたら、帝国データバンク、そういうところの資料なども集めた上で、誘致するかどうかということになるのですが、何となくまだ、雲をつかむような感じです。市民の一部の方が、そのような取り組みをされておられることであるようですので、国や県に要望されておられるのかどうか、分かりませんけど、具体的な資料がありましたら教えていただき、調査研究して取り組んでいきたい。」と原発問題の複雑さをにじませていました。
◆第170号 2009/06/22
一般質問1
平成21年第3回定例会(6議会)では、17人が一般質問に立って、議員としての存在を議事録に記録しました。
薩摩川内市では、川内原子力発電所の3号機の増設申し入れを受け、それに伴う環境影響評価準備書に対する知事への市長の意見書を議会開会中の6月16日に提出しました。
合併5年目に入り、これまで隠れていた、誰のための何のための合併」だったのかという、基本的な問題も、本音の部分が、海を越えての合併の是非も含め、少しずつ、議会でのやり取りの中で見えてきました。
原発関連の質問は2人だけでした。
原発質問に「おちょくり」答弁「次の議会でまた質問されると思いますから、期待をしておりますので、一歩一歩、前進をさせて頂きたいと想います」(笑い)と岩切秀雄市長が、からかったように、本会議答弁を縮めくくったのは、大坪幹也議員の「電源立地地域を生かした総合研究所の誘致について」の質問に対してでした。いかにも議会に強い市長という印象を与えました。
大坪幹也議員はまず「昨年12月市議会(一般質問)で、私達が誘致封象としている総合研究所は福井県敦賀市の財団法人若狭湾エネルギーセンターみたいなものです。本年1月20日に(市議会会派)薩摩川内会の11名で当研究所の政務調査に行き、今年3月市議会で当研究所を詳しく説明した。」と同調者が増えていることを次のように披露しました。
「私達の政策仲間の出水市議会議員、浦崎忠男議員が昨年9月市議会でエネルギー研究センター等の誘致について、渋谷俊彦出水市長に質問をしました。
渋谷市長は「本県選出の国会議員や県北薩地城の近隣地城の関係者、民間の関係団体ともいっしょになって前向きに取り組んでいきたい。」と答弁されております。
今後は阿久根市でも私達の政策仲間の議員が総合研究所の誘致についての質闘を始めると思います。地元国会議員や鶴園県議、外薗県議、田中県議の協力も当然必要だし、国の役人を呼んでの議論も必要だと思います。
岩切市長は、「本市の特産品は電気である。原発は自然エネルギーに比べたら、マイナス・イメージとして見られることがあるので、しっかりと説明をしていきたい。」と言われたように、薩摩川内市は電気のまちであり、電源立地地域の核としてプラス・イメージの総合研究所があるという考え方は当然のことであります。」と市長に賛同しています。原発特需についても力説しました。
「平成20年4月現在、全国の電源市町村は728あり、全国の約4割を占めております。電源3法活用事例集を調べてみますと、6交付金制度を全国17市39町10村が活用し、補助金制度を17市24町4村が活用しております。
ちなみに川内宇宙館の整備は平成7年から9年の間に総事業費5億6300万円のうち、5億2300万円を原子力発電施設等周辺地域交付金枠で活用し事業を行っております。
福井県敦賀市の財団法人若狭湾エネルギー研究センター整備も平成7年から10年総事業費153億円のうち、86億5900万円を電力移出県等交付金枠で事業を行っています」。
岩切秀雄市長の答弁です。
総合研究所は3回の質問でございます。大坪議員の熱意に応えなければと必死になっておりますが、なにせ大きくて、どっから糸口をつかんだらいいかわからない状況です。
ただ、若狭湾は原子力発電所のまちです。
稼働しているのが13基、建設の準備中が2基あるということです。
うちは1号、2号です。ここに大型の施設をですね、国に働きかけて、どの程度、相手にされるかですね、研究していかなければ、最初から相手にされないようではいけないなということで、慎重に対応しているところです。
議員の皆様方ともいっしょになって、働きかけをしなければならない、大きな事業であると認識しておりますが、いずれにしても、実現は遠いとしても、最大限の努力はしてみる必要はあると思います。」と答弁して、原発関連質問に、冒頭のような「おちょくり」答弁で締めくくったのでした。
大坪幹也議員は「市長、次回も是非質問させてください。」と収めて質問を終えました。
◆第268号 2010/06/22
平成22年6月議会開会1
平成22年第2回薩摩川内市議会定例会、6月議会は6月18日、21日、22日の3日間、一般質問が行われました。
議員34人中、19人が約50項目の質問を通告しました。
50項目の中身は130項目に及んでいます。
6月7日、川内川原子力発電所3号機の増設について、市議会は増設賛成陳情を採択し、岩切秀雄市長は議員全員協議会で同意を表明しました。(ミツロー通信第264号)
一般質問で原発関連質問は2人だけです。
「電源立地地域を生かした研究所誘致」と「原発の過酷事故想定」という、期待と不安の考えを背景にした質問です。
総研誘致質疑
大坪幹也議員は「電源立地地域を生かした総合研究所の誘致について」と通告して、次のように質問し、経過を交え議論の展開です。
「今回でこの質問は6回目になるわけですが、前回の岩切秀雄市長の答弁は、北薩地域振興局の行政懇話会で提案し、全県庁において研究課題とされてきたが、大変な事業であるし、市としても取り組むのはエネルギーがいるとのことで、民間の協議会も含めて、検討していくとのことでした。
その後、民間団体の北鹿児島電源立地地域総合研究所立地推進協議会の上園一紀会長が総合研究所を立地する要望書を本市と県に提出をされました。」と取り組みを紹介しました。
「北鹿児島電源立地地域総合研究所」は、5月20日付けで、鹿児島県議会に陳情書を提出しています。
自民県議団登場
県議会への働きかけの経過で、自民党県議団を登場させ、市長の反応を確かめました。
「5月初旬に自民党鹿児島県連より、上園一紀会長と私に、総合研究所立地の調査について説明を受けたいという連絡がありました。
宇田隆光自民党県議団会長初め、小幡兼興自民党県議団幹事長、池畑憲一自民党県連幹事長代理、また、地元の鶴薗真佐彦県議、外薗勝蔵県議、田中良二県議は委員会出席のため欠席という中で、約2時間の協議をしました。
その結果、川内原子力発電所3号機増設の県の地域振興策として、タイミング的に非常によい。原発1、2号機建設の時には、県は何もしなかったので、今回の総合研究施設はしっかりと県の方と協議し、早急に自民党県議団として、取り組みたいとの大変有難い話しをいただきました。」
豹変の答弁
自民党県議団の登場に、岩切秀雄市長は答弁の中で、態度の豹変を表明しています。
「鹿児島県議団と協議したところ、県議団も積極的に取り組むと意向ということです。今回、6回目。私もいろいろ検討しましたが、これは市単独で出来る問題ではない。やはり県が動かなければならないと思っていました。いままでも答弁したとおり、敦賀市においては、原子力発電所等が17基もある。本市には、1号、2号の2基しかございません。
これはとても理解してもらえる問題ではないと答弁をして参りました。しかし、鹿児島県議団が動くということになりますと、大変有難い。期待したい。出来るだけ早い時期に私も県議団の意向を聞いて、お礼を申しながら、是非、県としてがんばってもらうように、お願いしに行きたいと思っています。」
◆第270号 2010/06/25
原発関連陳情
平成22年5月20日付で薩摩川内市議会に「エネルギー産業と共存・共栄する施設の立地に関する陳情書」が出されました。
これを採択するか、不採択とするか、薩摩川内市議会企画経済常任委員会が平成22年6月25日に審査しました。
陳情者は、北鹿児島電源立地地域総合研究所立地推進協議会の上園一紀会長です。
趣旨は、原発地域として、地域振興施設の立地を働きかけてほしいという内容です。
原発関連案件は、特別委員会で扱うけど、これが、なぜ企画経済常任委員会なのだろうかという考えもあり、傍聴しました。
議会で要求
「原発地域の振興施設として、総合研究所の誘致」というのは、宮里兼実議員の後を引き継ぐ形で、大坪幹也議員が、本会議一般質問で市長に要求してきた課題です。
この6月議会でも、6回目の質問をして、岩切秀雄市長の姿勢を変えさせ、前向きの答弁を引き出した経緯があります。(ミツロー通信第268号)
とはいえ、原発城下町のこと、審査は反乱含みの展開です。
参考人招致へ
陳情審査の手始めは、議会事務局書記が、陳情文を読みあげることから始まります。
執行部所管課の原子力対策課から、「市長にも同じ趣旨の要望書が3月26日に出ています。」と説明が加わりました。
福田俊一郎委員「3月26日と同じ趣旨と言われた。番外の大坪幹也議員が1年半から、前再三再四、質問を続け、市長も答弁している。ここで、大坪議員から説明を受けたい。」大坪幹也議員は、企画経済委員会の委員ではありませんが、関わりがあるということで、議員傍聴席にいました。
請願書なら、紹介議員がいて、説明しますが、陳情はそんなものではありません。
杉薗道朗委員「そもそも、北鹿児島・・・協議会というのは、どんな組織なのですか、課長は把握しているのですか。」
原子力対策課長「詳細は把握していません。」
佃昌樹委員「大坪議員が(一般質問で)おっしゃったように、自民党県議団の感触も得ておられると思います。陳情者に聞きたい。結論から言うと、エネルギー産業と言うが、原子力発電所をぼかしているところをきちっと聞きたい。上園一紀会長に来てもらって、きちっと聞きたい。参考人招致した方がいい。」
杉薗道朗委員「私も質問したい。参考人として説明を頂いた方が分かりやすい。」
高橋修二委員「・」声が小さく聞こえない。
東完治委員「内容を確認したい。」
小田原勇次郎委員「参考人として招致。」
森永靖子副委員長「・」小声で聞こえない。
継続審査ということで、次回に上園一紀会長の参考人招致が全会一致で決まりました。
佃委員と杉薗委員は原子力発電所対策調査特別委員会にも所属しています。
原発特需争奪戦
原発特別委で採択した中に、川内商工会議所と川内原子力発電所3号機建設促進期成会が出した、共に「3号機増設の早期建設を求める」内容の陳情があります。提出者は、「田中憲夫会頭」と「田中憲夫会長」です。
この2陳情には、会議所名で増設機運を盛り上げ、原発特需は「期成会」で取り込むという、「原発城下町」の構造が見えます。
議会で総研誘致を追求している大坪幹也議員と第3ともいうべき「エネ産」陳情提出者の上園一紀会長は川内商工会議所会員です。
商工会議所関連「第3の陳情」は「特需の争奪戦」への宣戦布告のように、企画経済委員会の傍聴席には伝わりました。
同じ内容の陳情書は、鹿児島県議会にも出されていて、9月議会上程のようです。
「原発特需争奪の前哨戦」の様相です。
◆第284号 2010/08/09
総研陳情参考人
薩摩川内市議会企画経済委員会が8月9日午前10時から開かれました。
議題は、「エネルギー産業と共存・共栄する施設の立地に関する陳情書」だけです。
この陳情だけのために、議会閉会中にかかわらず、常任委員会が開かれたのです。
陳情者である、北鹿児島電源立地地域総合研究所立地推進協議会の上園一紀会長が参考人として出席しました。傍聴者は5人です。
6月25日の審査で、「そもそも、北鹿児島・・協議会とは・・・。」「エネルギー産業と言うが、原発をぼかしているところをきちっと聞きたい。」という意見が出ていました。
会派が鍵
企画経済委員会の構成は次の8名です。
委員長 古里貞義(新生会)
副委員長 森永靖子(薩摩川内会)
委員
杉薗道朗(公明党) 福田俊一郎(薩摩川内会) 高橋修二(むつみ会)
佃 昌樹(市民連合) 東 完治(むつみ会) 小田原勇次郎(薩摩川内会)
最大会派の「薩摩川内会」が3人です。委員長は採決には参加しませんので、同調者がもう1人がいれば、企画経済委員会では、基本的には薩摩川内会の判断が、賛成であれ反対であれ多数」で通過ということです。
会派のまとまりが鍵です。
総研推進協議会
参考人招致の委員会は、議会事務局員が、陳情書の内容を読みあげ、陳情者の「北鹿児島電源立地地域総合研究所立地推進協議会」の上園一紀会長がまず10分間の持ち時間で、陳情書の補足説明に入りました。
「九州に2ヶ所しかない原子力発電所立地の町なのに、目に見えて次世代に繋ぐ施設がないので、総合研究所について、4、5年前から考えていた。宮里兼実議員、大坪幹也議員が本会議で質問してきたことも念頭に入れて活動してきた。」ことなどを力説しました。
続いて、1時間余りにわたって、参考人に対する質疑応答が行われました。
福田委員は、薩摩川内会の福井県敦賀市の(財)若狭湾エネルギー研究センターの政務調査の経験などを交え、好意的でした。
だが、そのほかは全員が極めて厳しいを態度のように傍聴席からは見えました。
質疑応答
杉薗委員「まず確認します。協議会の方々のメンバー・・・、活動状況は・・・。」
上園参考人「会員は、60名から70名ほどで、商業や農業やサラリーマンなど市民で、薩摩川内市発展の総合研究所立地に賛同される方々です。」参考人は委員の求めに応じて、用意した活動状況を示す資料を提出し、それを示しながら、答弁は続きます。
「電源立地生かした総合研究所とは、バイオや新エネルギー、新素材開発、海産物や植物農産物の品種改良、地元企業の育成と商品開発、人材育成や子供達の研修、原子力温排水利用、地域産業振興、原子力関連先端技術など・・・。」
福田委員「参考人の薩摩川内市への熱い思いが語られました。(福井県敦賀市の)若狭湾エネルギー研究センター、それにも劣らない施設ですねえ・・・。」
参考人「まさにその通り、推進協議会の思いを言葉にしていただきました。」
佃委員「ものすごく間口が広く、イメージとして、よく分からない。」
杉薗委員「関連して」と前置きして、「どこに持ってくるのか、九電がもってくるのか、土地は購入するのか、それを教えて欲しい。」上園参考人が佃、杉薗両委員に答えた後、古里委員長が「場所はどこを想定しているのか。」と答弁漏れを指摘してしました。
上園参考人「東郷町の県果樹試験場跡・・・。」
高橋委員「構想が大きすぎてわからない。」
小田原委員「経済効果はわからない。」
東委員「趣旨は分かるが、既存の総合研究所はあるわけで、必要性はあるのか。」
森永副委員長「県へ出した要望の回答は、今の段階では難しいということですね。」と確認。
◆第333号 2011/03/11
大地震と原発 ~企画経済委員会~
薩摩川内市議会月定例会中の企画経済委員会は3月11日開かれました。
委員会終盤、「ただ今、防災無線で情報が流れています。鹿児島県西部地方に津波注意報が発表されています。」と報告です。
永田一廣企画政策部長が「2時44分頃、宮城県北部で震度7、宮城県女川原発1、2、3号全て停止、福島原子力発電所は6基のうち3基は定検で停止中、3基は運転を停止した。」と原発情報を迫加し、原発関連審査に入りました。
原発と産廃
東北地方での「震度7地震」の報告に引き続き、審査は委員が質問して「川内原発3号機増設に伴う初期対策交付金について」に入りました。
国からの交付が決まり、去年12月から県と薩摩川内市が取り分を協議しています。
永田一廣部長「来週か再来週に3回目の協議です。うちはうちとして、主張して出来るだけ多くの配分を受けたい。事務的に打ち合わせは進めるが、こういった性格の問題ですので、最終的には、知事と市長のトップ交渉になりますが、精一杯頑張ろうと思います。」
「(県庁に)押しかけて、行っど。産廃(最終処分場)も作らせんど。」と気合いのこもった、委員席からの不規則発言です。
産廃処分場を人質に、原発交付金という身代金狙いのように傍聴席で感じました。
「原発と産廃」を実感する場面です。
総研陳情
「エネルギー産業と共存・共栄する総合研究所立地に関する陳情書」の審査です。
運常は、陳情書を議会事務局職員が読み上ますが、それはなく、いきなり審査です。
そしてまた、いきなり、委員が発言です。「・・次回委員会で、継続審査に・・・。」
委員長「ただ今、閉会中の継続審査にという意見ですが、ご意義ありませんか。」
「異議無し」という発言あり。
委員長「本陳情は、閉会中の継続審査に。」事務局女性職員が走りより、委員長に耳打ち。
委員長「参考人招致をするかどうかをお計りします。併せて、参考人招致をしたらということですが、ご意義ありませんか。」
「異議無し。」という発言あり。
委員長「そいじゃ、陳情者を参考人として、招致することに決しました。」
傍聴席からは、芝居を見ているようでした。
◆第351号 2011/05/20
総研陳情不採択 ~企画経済委員会~
「本陳情を賛成すべきと認める諸君の起立を求めます。」7人中、3人起立です。
「起立少数であります。よって本陳情は不採択すべきものと決しました。」
5月20日、薩摩川内市議会企画経済委員会で、「北鹿児島電源立地地域総合研究所立地推進協議会」という、長い名前の団体の上園一紀会長が提出した「エネルギー産業と共存・共栄する総合研究所立地に関する陳情」不採択となった瞬間です。
傍聴席は4人です。
陳情の経過
「エネルギー産業と共存・共栄する総合研究所立地に関する陳情」は、平成22年5月20日に提出され、企画経済委員会で上園一紀会長は参考人とし意見を述べています。
(ミツロー通信第284号)。
だが、1週間後、8月16日には、取り下げを申請しています。
以下議事録より。
○議長(岩下早人君)「次は、陳情の取下げ承認を求めるについてを議題といたします。
陳情第7号エネルギー産業と共存・共栄する施設の立地に関する陳情書について、お手元に配付の陳情取下げ一覧表のとおり、陳情者から取下げ願が提出されています。本陳情の取下げを願い出のとおり承認することに御異議ありませんか。」
「異議なし」と呼ぶ者あり。
こうした経過の後、平成23年2月14日に、同じ趣旨で、再び提出したのです。
陳情審査
長い名前の団体が提出した陳情書は、内容もA版用紙にぎっしりの長い文面です。
難解な部分がありましたが、京セラ社員で先端技術への関心も併せて、陳情の意図を前向きにくみ取ろうと親切丁寧な対応です。
谷津由尚委員「文章の内容が広いので、理解させてい頂きたい。まず第1、総合研究所を設置することで、人類の発展に貢献する先進地になれること。第2、幅広い物で無ければならないこと。第3、10項目にわたる具体的な活性化策、以上の3つを上での効果、こういう理解でいいでしょうか。」
上園一紀参考人「全く、良く、理解していた通りで、まさしくその通りです・・・。」
と、川内原発1、2号機と向き合う地域での最新科学の立地へ向け、さい先のいい審査の出だしでした。だが、次からは暗転です。
不採択への表明
原発立地地域で新技術への期待と理解を共有しようという前向きさは、始めだけでした。次からは質問にこと寄せた不採択表明です。
東完治委員「数年来、総合研究所に熱心に取り組んでいることには敬意を表する。原発が立地する地域として、その利点を生かしながら、薩摩川内市の将来につながる施設を誘致すべき、ということには基本的には賛同する。咋年、同様な陳情を出された時、反対した1人です。総合研究所は必要ない。」
川添公貴委員「そもそも、総合研究所とはどういう学問の分野なのか、具体的に示して欲しい。」
江畑芳幸委員「先ほどの補足説明の中で、ほかにも陳情をなされとありましたが、どのようなところに陳清されたのか。その結果はどのような回答が変えてきたのか。」
暗転に次ぐ暗転の次は、まるで恫喝です。
まるで恫喝
岩下早人委員「昨年、陳情を出して、取り消した(正しくは取下げた)。内容的には全く同じです。
継続(審査)になったとなった途端に、取り消した。
本会議で取り消しの決議をした。(正しくは取下げ願の承認)。
全く同じものが、同じく出て来た・・・。
議会も時間を作って、陳情については、熱心に議論をしてきているのですよ。
それも御理解いただかないと、ですね、本来ならば、同じ物が出て来たこと自体が、そういう事について、御理解いただかないと、同じことではないですか、こんなものをですね、また取り下げるのか、わかりませんけど…。」
まるで「恫喝」のように傍聴席に響き、参考人の後ろ姿が縮みあがっているようです。
そもそも陳情の提出、取下げ申請は市民の権利です。
審査、取下げ申請の承認は議会が決めたことです。
この発言は「あんまり」です。
議会風土
議会内での議員の発言は最大限に自由が保障されています。ここでは、「あんまり発言者」はさしたる問題ではない。
問題なのは、議事の中で、市民への本質を外れた「あんまり発言」をのさばらせている議会風土です。
「あんまり発言」の次に2人が発言です。
大坪幹也副委員長「私の考えを交えながら、1点だけ質問します。今朝の新聞に政府が新成長戦略実現・・・。」
宮脇秀隆委員長「質疑は尽きたと思います。委員外議員の質疑等発言を許します。」
池脇重夫議員「多岐に渡る研究施設で、文面を見た限り、日本で有数の研究施設になるのではないかなと、このまま進んだらですね。」
「あんまり発言」などなかったかのうように、委員会での陳情審査は、粛々と進行しました。
そして、いよいよ「不採択」に向けての天の声の登場です。
天の声
宮脇秀隆委員長「咋年、市当局にも、この陳情と同じ内容の要望書が提出され、それを受けて、市長は県当局に要望をされたと聞いている。処理状況について、お伺いしたい。」
永田一廣企画政策部長「去年の陳情議会提出と時期を同じくして、4月1日に、市長にも同様の趣旨の陳情は届いております。
県知事に対しても、陳情者から要望書が出されております。その回答内容を確認したところ、県としては難しいという、6月23日付けの回答がご本人に届いたことを確認しております。こうした、市としての考え方、県の考え方を踏まえまして、12月27日付けで、上園様の方に市としての陳情の趣旨には、現段階では、困難な旨、本人さんに回答してございます。」と、「天の声」が披露されました。
「市長が知事に要望した」ことについての委員長の確認的質問は全く無視です。
不採択への道
傍聴席からは、質疑応答を聞いていて、各委員は態度を決めているように見えました。
それでもなお、採決前に、この陳情に対する、岩切秀雄市長の考えが示されたところが、いかにも「原発城下町」らしいです。
天の声の下での採択という印象です。
宮脇秀隆(むつみ会)委員長を除く、賛成反対は次の通りです。
賛成・大坪幹也(薩摩爽風会)
賛成・宮里兼実(むつみ会)
賛成・谷津由尚(鴻鶴志会)
反対・岩下早人(創政会)
反対・川添公貴(薩摩維新会)
反対・江畑芳幸(市民連合)
反対・東 完治(むつみ会)
この結果は6月議会で委員長が報告し、本会議採択で、委員長報告を可決して、不採択への道が用意されているように見えます。
◆第407号 2011/12/29
頂戴する ~12月議会一般質問~
原発から再生エネへ
「再生可能エネルギー関連研究所について」と通告した大坪幹也議員の質問です。
大坪議員「電源立地を生かした総合研究所の誘致について、民間である北鹿児島電源立地地域総合研究所立地推進協議会の上園一紀会長をはじめとする会員ががんばっています。」と岩切秀雄市長への要望に関連した質問を投げかけました。
岩切市長「研究所を誘致することはすばらしいが、伊藤知事に陳情した考え方は原子力発電所3号機に伴って、原子力発電所関係施設に研究所を作って頂きたい、九電に県からも強く要望して下さいという陳情でございます。しかし、原子力発電所3号機問題は推し進めることが出来なくなったとので、今後は再生可能エネルギーに関連するというふうに考えております。」
傍聴席は大勢です。
市長の弁明 ~再度の要望書~
大坪議員が示した「北鹿児島電源立地地域総合研究所立地推進協議会」の上園一紀会長は、平成23年12月議会開会翌日に岩切秀雄市長に薩摩川内市に川内原発に関し、地域活性化につながる総合的な研究機関誘致を求める要望書を提出しています。「再度の要望書」と明記しています。
平成22年3月26日に出した最初の市長宛の要望書には、その年の12月27日に「市単独では難しい。」という拒絶回答でした。なんとその一方で市長は、この要望に沿った陳情を知事にしていたのです。
大坪議員への答弁はそれへの市長の弁明です。
「再度の要望書」としたのは、一度、提出したけど、市長に拒絶され、かつ薩摩川内市議会への陳情も不採択になった経緯を踏まえてのことです。
「再度の要望書」提出後、上園一紀会長は、向野新エネルギー対策監から1時間半に及ぶ丁寧な事情聴取を受け、手応えを感じていました。
再度の要望書への回答
平成23年11月29日提出の「再度の要望への回答」は1ヶ月後の仕事納めの日、12月28日です。
回答は、原子力発電所や火力発電所の基幹エネギーに加え、新エネルギーの導入を進め、企業誘致など様々な経済効果や雇用効果の創出が必要であること、そのための基礎調査を行い、新エネルギービジョンや行動計画を策定するという、議会答弁に沿った内容になっています。
その上で、「要望にある、総合研究所については、新エネルギービジョンや行動計画を踏まえた上で、検討していく施策の中で研究してまいりたいと考えております。今後とも、新エネルギーに関する提言をいただければ幸いです。」と結んでいます。
前回とは反対に、将来に期待が持てる、「前向きな回答」と上園一紀会長は受け止めています。原発城下町は「新しい代官」を迎えて、これからどう風向きが変わるのか、試される時です。
これからの見通し
これからの見通しについて、向野新エネ対策監は次のように議会で最初に答弁しています。
「国の総合エネルギー調査会やエネルギー環境会議の場でエネルギー基本計画や革新的エネルギー戦略の策定に向けた議論が行われ、来年の夏を目途に、我が国のエネルギーのベストミックのあり方とか、新エネ、省エネ技術の開発、さらには、関連産業の育成などについてですね、一定の指針が出されるものと理解をしています。
これを踏まえまして、本市と来年度、平成24年度上半期を目途に新エネルギービジョンを策定でありますとか、あるいは本市及び関係機関が一体となって取り組むような、行動計画の策定を来年・度の下半期を目途に進めて参りたい。」
再生可能エネルギー特別措置法の2012年、平成24年7月1日から施行されるのを前に、周辺地域では風力発電に加え、大規模な太陽光発電、メガソーラーの事業化が動き出しています。
◆第465号 2012/08/29
新旧の陰影 ~薩摩川内9月市議会~
薩摩川内市議会9月定例会の総括質疑並びに一般質問初日の8月29日に4会派が代表質問しました。
市長、市議会議員共に、今年10月21日に任期満了の選挙を控え、任期機関最後の質疑応答です。
いかにも原発城下町的議会模様でありました。
寂れ行く原発地域振興と原発離れを促進しようとする新エネ対策が代表質問の中で、新旧の陰影を映して交差していました。
日本工営 ~新エネ対策監~
市長は施策の概要等で「次世代エネルギーに係る具体的事業の最初の取り組みとなる東郷町田海川小鷹井堰における小水力発電の可能性調査費」と予算説明しているのです。
答弁は、市長ではなく、経済産業省から派遣された向野陽一郎新エネルギー対策監です。
「調査費を除けば、事業費は8600万円でございます。8600万円につきましては、「にほんこうえい」の負担ということで御理解頂ければと思います。農業用水を活用した小水力発電の導入促進という観点でございますけど、ビジョン策定の過程で市内の利用可能量というのは把握しておりますので、このデータの利活用というのは、よく考えていきたいと思います。」
「にほんこうえい」とは東証一部上場企業の「日本工営株式会社」のようです。
コンサルタント、電力、土壌汚染対策、特定労働者派遣事業など事業内容は多く、水力発電事業が生い立ちらしい。
原発城下町の構
今年、平成24年4月「薩摩川内市次世代新エネルギービジョン策定委員会」が作られた時、「薩摩川内市次世代予不ルギー導入促進協議会」というのも設立されました。
会長は田中憲夫川内商工会議所会頭で次席は、三菱重工、三菱電機、その次が九州電力、富士通、川内商工会議所、川内商工会、京セラ、中越パルプという席順です。
原発城下町の構図を連想します。三菱重工は川内原発を作った企業です。それが新川内甑島航路の新船を作るというのは、いかにも暗示的です。
総合研究所 ~もう1つの動き~
「話は変わり」と方向転換して、「薩摩川内市への総合研究所の誘致について報告をします。」と話題を転換しました。
このテーマにつきましては、今回の選挙戦を勝ち抜き、12月市議会の場でしっかりと質問をしたいと思いますので、よろしくお願いします。」と質問者議員本人と聞き手の岩切秀雄市長の再選を前提に語り出したのです。
この陳情につきましては、民間の北鹿児島電源立地推進協議会の上園一紀会長をはじめとする会員の皆様が平成23年6月14日に、鹿児島県議会に誘致の陳情書を提出され、企画建設委員会において、5回目の継続審査になっております。
この事実を受け、平成24年7月11日に、上園会長と私とで上京し、自由民主党衆議院議員・古賀誠国会事務所を訪れ、陳情しました。
御理解を頂き、引き受けて下さいました。
その場で、鹿児島県の自民党の自民党ローカルマニフェストにも総合研究所誘致を明記していただくために、自民党鹿児島県連にもお願いして下さいとの御指導をいただきましたので、7月16日、上園会長と私とで自民党衆議院・森山裕県連会長に対し、陳情のお願いと会談をいたしました。
森山先生が新エネルギーと農林水産業を中心とする総合研究所であれば、今後の基本的な国づくりに必要であると前向きな御指導をきめ細かく頂きました。
以上を踏まえ、8月7日に、上園会長が自民党・谷垣禎一総裁と政務調査会あてに、電源立地地域である薩摩川内地域に国を中心とする総合研究所の立地を自民党次期衆参選挙のマニフェストに加えて頂き、自民党の政治主導による国民運動のための陳情書を提出しました。
薩摩川内市への総合研究所誘致については、今後ますます、政・民・産・学・官が一体となった取り組みが必要であります。
薩摩川内市のためにも、決して諦めることなく、地道にがんばらなくてはと、考えております。」こう前語りして、通告の質問に入りました。
原発城下町のもう1つの動きです。
- ①ごあいさつ
- ②実証(別紙①)
- ③協議会の基本と目的
- ④協議会について
- ⑤総合研究所とは
- ⑥協議会の考え方
- ⑦政権公約(202)と陳情書等
- ⑧活動・取組み
- ⑨市議会での議事録 (質問と発言(報告))
- ⑩ミツロー通信(元NHK記者)
- ⑪自民党政権公約の主な動き(陳情書により)
- ⑫県・市・町議会と協議会(会員の動き・文書)
- ⑬北鹿児島の市・町と会議所の動き
- ⑱今後について(動いて気付いた物事)
- ご意見・お問合せ
- リンク
ご案内

- 名称
- 北鹿児島電源立地地域総合研究所立地推進協議会
- 会長
- 上園 一紀
- 事務局
- 〒895-0061
鹿児島県薩摩川内市御陵下町
26-54(サツマヤ有限会社内)
TEL:0996-25-3048
FAX:0996-22-7777
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